とある事務所の将棋紀行

将棋の好きなアイドルが好き勝手に語るみたいです。

在るプロデューサーのライブ観戦記 初日  ガラスの靴をはいたアイドル

 

プロデューサーとして「好き、面白い、素晴らしい!」と感じたものを伝えたい。
そんな動機でこれまで活動してきた。色々考えたが、その方針は変わらない。

本来ならばPは裏方に徹するべき…なのかもしれないが、『アイドルを語る』ことについてはこれまでのように、アイドルの皆さんにお願いするわけにはいかなかった。

…いやそもそも、この2日間で観たもの感じたものを書かないという選択肢は頭になかった。感動した。それを書き残したい。忘れたくない。少しでも伝えたい。

この文章は、そんな在るプロデューサーのライブ観戦記である。

 

かなり前のことになるがチケットの抽選に外れ、2日間LVでの観戦となった。
ただ、限定CDだけは手に入れたく始発にて物販に向かい購入することに成功。
列待機の間に名刺を交換するP達を初めて見たが、言葉の端々や所持しているグッズから、アイドルの方々への愛が溢れていた。

一度帰宅して、LV会場の映画館へ。映画ならば何度か観に来たことはあったが(約1年経った今も未だに上映されているそうなので、また見に行きたいものだ)、このような中継を観ることは初めてだった。

5時になり、中継されるSSA内が暗くなる。 OP、どんな内容なのか…待っている間は期待と不安が入り混じっていた。3rdの完成度を塗り替えるのは容易ではないと、そう思っていた部分もある。
協賛コール、ちひろさんの諸注意も終わり、『Brand new Castle』開門。

光が、城の外観を描き出す。そして……

 

「はぁ~い☆あなたのハートをシュガシュガスウィ~ト☆」

 

その第一声で、会場のボルテージはMAXになった。私の愚考など一瞬で打ち砕かれた。

はぁとさんに続いて美優さん、森久保さんのナレーションが続く。シンデレラの階段を駆け上がった者たちによる、『開門』の宣言。この時点で、いろいろな感情が溢れだしそうになっていた。

荘厳な曲とともに門が開き、光を放つ。それを背にキャストがシルエットを浮かび上がらせて登場。(この時点で演出は始まっていた)

曲がクライマックスを迎え、ステージ上の照明がキャスト陣を照らし出す。


そこに、アイドルがいた。


衣装が、それぞれのアイドルをあしらった…いや、その通りのものだった。 会場全体が、驚きと歓声に包まれる。そしてそのまま『BEYOND THE STARLIGHT』へ。

この時点で、私Pは涙を流していた…。まだ、始まったばかりであるというのに。

 次は『Snow wings』を全員で。この2曲で一人一人がカメラに映り、誰が何の衣装か、詳しく把握できた。(ひときわ目を引く方がいたが、それは後述する)

 

MCパートで挨拶と自己紹介。…フレデリカ(高野麻美さん)の「きちゃったよ~サイパン!」が頭から離れない。いつものフレちゃんであった。

『Brand new Castle』

この日もステージに、シンデレラプロジェクトの面々はいない。その名の通り、今日がシンデレラ初ステージのアイドルが何人もいた。

それゆえ新鮮味もあり、明るく楽しく賑やかな印象だった。

 

最初のユニット曲は、パッション5人による『Flip Flop』

隊形が複雑で前の人の肩に手を置き進むなど、直前のMCで語られた「新しいことへの挑戦」が垣間見えるステージだった。それは、この初日通していえることだろう。

またこの曲は…茜さんと藍子さんで歌ってもらいたい。

 

次に門から現れたのが、五十嵐響子さん(種崎敦美さん)。
そして流れる『恋のHamburg♪』

フライ返しを右手に歌う姿、その歌声、セリフ…全てが響子さんそのもので。

シンデレラ初のライブ、しかも序盤のソロ曲1番目に持ってくる驚きと、それを堂々と歌いきったことへの感動がないまぜになっていた。

シンデレラのステージは、アイドルと担当Pにとって非常に特別な意味を持つ。そして、ステージを期に担当が増えることもあるのだ(プロデューサーの性なのか…)。

とにかく、序盤から最高であった。

 

 スポットライトが後方に映り、城の上に紅と青の二人が立つ。
羽衣小町による『青の一番星』

京都出身アイドルによる共演がついに現実になった。あでやかに、華やかに歌い上げるその姿は…赤と青の衣装が煌びやかで、Pの夢が現実になった瞬間だった。

京美人を体現した小早川紗枝はん(立花里香さん)であったが、MCで言われて喜ぶ様はいつもの立花さんであった。

 

さて、ステージの雰囲気を一変させる演出は定番でもあるが(毒茸伝説とか)、次のステージの衝撃は忘れられない。

曲が終わる途端に、奈落から飛鳥くん(青木志貴さん)登場。ステージが一気に暗くなり、かかるイントロ『偶像世界の存在証明』


結論からいえば、『二宮飛鳥のステージ』だった。飛鳥が、そこにいた。


まず語らねばならないのは、その姿だろう。
登場のときから異色を放っていたのはこの方だったわけだが、二宮飛鳥そのもの。ベースとなる髪の色からピンクの編み込みエクステ、衣装、プロポーション…どこをとっても飛鳥であった。月並みな表現だが、それしか言えないのだ。

青木志貴さんの経歴によるところも大きいのだが(コスプレイヤーとしても有名)、長いアイマスの中でも異質なステージだったと思う。

それを成立させたのが飛鳥というキャラであり、青木志貴さんの手腕なのだ。

スタンドマイクを持ってキレのあるダンス、そして演出。ノイズ混じりのセリフのシーンではLVの画面も色褪せたノイズが走り歓声が上がった。(SSAでは後ろの画面に映ったようだ)

歌声も…飛鳥だった。

ライブで歌うには高低もリズムも激しい難しい曲を、初の舞台で大観衆の中、もがくように声を張り上げる。

まさに『二宮飛鳥の存在証明』であり、それは最高の形で示された。

 

 さて、ここから先は様々なメンバーで、にぎやかに進んでいく。

「き・ま・ぐ・れ☆Café au lait!」は相変わらずの一門ぶりで、大和亜季さん(村中知さん)と片桐早苗さん(和氣あず未さん)の捕り物劇。全くそれを気にせず歌うフレちゃんこと高野麻美さん。

次の『エブリデイドリーム』や他の曲もそうだが、過去に歌われた曲はメンバーや演出が変わっている。このあたりの組み合わせも面白いところだ。

やはり、小指のリボンは変わっていなかったが。

 

『Bloody Festa』…白坂小梅ちゃん(桜咲千依さん)の2曲目であり…会場が真っ赤に染まった。

「血の海がみたい」とのお達しにPが答えたわけだが(?) 強い曲調に対してウィスパーボイスで声を張る…という表現しがたい曲を、ライブで堂々を歌い上げてみせた。

まだ公開されてから日が浅いのだが、ハロウィンが近いこの時期にぴったりの衣装で歌い踊る姿は…何か人ならざる者を呼び込みそうだった。

 

『お散歩カメラ』では、3人が歩きながらのステージ。「パシャ」の声と共にカメラのシャッターが下ろされ、歓声が沸いた。身長差も相まって、千枝ちゃんと薫ちゃんを引き連れた藍子さん…というほのぼの空間ができあがっていた。

その空間を引き継ぐようにして相葉夕美さん(木村珠莉さん)の『lilac time』

ここで語るべきは、P達のサイリウムだろうか。緑に染まった会場の中に、色とりどりの光…花畑が広がった。

初ステージである。そして、それを全力で応援するPがいる。それを再認識させられたステージだった。
最後のMCで、「私、きれいに咲けました!」と涙まじりに言った言葉は忘れられない。
(ここは、デレステコミュ2話やつぼみコミュを参照してほしい。咲くという言葉は相葉夕美というアイドルにとって、とても大切な言葉である)

 

キュート陣で『明日また会えるよね』を会場後方からトロッコ(馬車)で。
このときの様子は、文で表せるようなものでは到底ない…。とにかく、楽しいの一言に尽きる。

ここからは、パッションソロ曲が続く。

 

大槻唯ちゃん(山下七海さん)の『Radio Happy』

これは、圧巻としか言いようがなかった。すごい、すごい(語彙消失)

センターステージで、イントロからダンサーと息を合わせたダンスを披露(某トレイン的なアレ)。固さを感じさせない、場慣れした雰囲気(山下さんは別のステージに立った経験があるが、それでもシンデレラのステージは異質なものだ。だからこそ、すごい)
歌唱も含め、完成度がずば抜けて高いステージだった。

デビューCDも、カバーアルバムも、P達の度肝を抜いてきた唯ちゃんらしいといえばらしいのだが…次元が一つ違うわけで。山下さんの能力の高さは目を見張るものがあった(まだ21歳だそうだ)。

 

 そして次の曲で熱気が笑いに変わる(?)

ライトに照らされたのはバットを構えた姫川友紀選手(杜野まこさん)と、投球の構えの向井拓海選手(原優子さん)。

LVの画面一杯に中継画面『キャッツvsヤンキーズ

3rdではきらり選手が投だったが松嵜麗さんのヤクルト好きの影響が大きく、今回はカープファンの立花里香さんが出るかもしれないなどと考えていた。(個人の予想)

ただ、紗枝はんが投げるイメージは全くないので、振り返るとこれが正解だと思う。

この勢いや熱は、パッション特有のものだろう。熱を伴って駆け抜けた。

 

 勢いをそのままに『Can’t Stop!!』。今回は、城がお立ち台である。

(衣装が青を基調としていたため、OPで誰か分からなかった…閑話休題

例によって何人もセンスを振っていたのだが、中でも飯田友子さんが強烈に印象に残っている。たぶん、奏さんも役割振られたらこうなのだろうな…と思うくらいに違和感がありながら魅力的だった。

それと、デレステのMVのフリそのままなのでご確認頂きたい。楽しい曲であるが、歌詞は非常に早苗さんらしいところも注目である。

 

パッションメンバーで『きみにいっぱい』をトロッコ(馬車です)で後ろから。

会場をフルに使うあたりもすごいが、トロッコ(馬車)上でのキャストの動きも見どころ満載だった。全部の動きを観られるのは会場にいた人の特権だ…とも思う。

 

『恋色エナジー』は中野由香さん(下地紫野さん)

衣装の腰少し上に巻かれた黒い帯、そして間奏での空手!

マイクにぶつからないように手を振るの大変だっただろうな…などと考えてしまう私P(空手は経験有)。

次第に固さが抜けていくあたりも中野さんらしいというか…皆さん本当に、初ステージとは思えないパフォーマンスだった。

 

『花簪HANAKANZASHI』を挟んで、『秘密のトワレ』

これもライブで歌うことを想定しているとは思えない曲だが(アイマスでよくあること)

一ノ瀬志希さん(藍原ことみさん)は見事に歌い上げた。

この曲を、笑みをもって歌うことに着目したい。悲恋ではなく全てを理解して、判断して、楽しむのが一ノ瀬志希なのだと、そう思わせるような歌い振りであった。

 

『咲いてjewel』はやはりトロッコ(馬車)で。

こればかりは…会場組がうらやましいと言わざるを得ない。

とにかく、一人一人の動きが、姿が、歌が、素晴らしかった。

 

次からの流れは、時間をかけて語りたいところだ。本ステージの一つの勝負どころである。

 

サイキック堀裕子(鈴木絵理さん)の『ミラクルテレパシー』も3回目、今回の助っ人は早苗さんと唯さん。

3rdで見せた間奏サイキックは神経衰弱だったが、今回はスロット。

大きく変わった点は見えず、そのときは構成として意外に思った。(思えば、この時点でサイキックの術中にハマっていたいわけだが)

 

二人をサイキックで引きつけて曲が終わる。

……しかし、ステージは暗転しない。ユッコが「静かに」のジャスチャーを送り、3人でサイキックのポーズをステージに向けて送る。

 

次の瞬間、曲が流れた。

 

このとき、私は理解ができなかった。

いや、初日で流れるであろう曲は、物販待機の間に予習していたのだ。でも、その中になかった。

ポップな曲調と、背景に映し出されるハートマーク。奈落から上がってくるその姿はピンクの衣装に包まれ、LVからは遠めに見えるがキュートであるのは間違いなかった。

もし、イントロクイズだったら当てられたかもしれない。しかし、この場で、この曲が流れる選択肢すら頭になかった。

他のPも同様で、歓声が上がらない。静まり返ってイントロが流れるのみ。


そして…歌声が響く。このときの心情は、表現することができなかった。

 

「月曜日 おんなじ通りの……」

 

特徴的な聴きなれた声が、現実を叩きつけた。

湧き上がるのは、歓声とも、奇声とも、驚愕ともとれない声。

 
LVに示される文字『To my darling 竹達彩奈

呼吸が、止まった。

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少しばかりの解説をさせてほしい。

これまで、輿水幸子というアイドルが表舞台に立ったことは、一切ない。ライブも、ラジオもない。アニメ、CD、デレステコミュ…その中でしか、その声に触れることはできなかった。それが長らく続いたものだから、P達の頭の中には「輿水幸子がサプライズで登場する」という選択肢自体が頭になかったのだ。

本人はイントロの静寂を「失敗したんじゃないか」と思ったそうだが、そうではない。本当に、何万ものPの理解が、追い付かなかった。

 

しかし、そんな中でも曲は、ステージは止まらない。
次第に声も静まり、会場が幸子に飲みこまれた。

 

輿水幸子というアイドルは、得てしてネタキャラとして扱われがちだ。

しかし、その本質は王道を歩むアイドルである。

「良いときはほめて、そうでないときは応援してください!」

は彼女の名言だと思っているし、自信過剰な反面、苦労をみせずに与えられた仕事をちゃんとこなしている。

 

ステージ上にいたのは、そんな『カワイイアイドル輿水幸子』だった。

 

これまでのネタ要素を微塵も感じさせない…いや、思い返すことすら許されない。

ただ、眺めることしかできなかった。

クローネの美術品のような高潔さとも、CPの賑やかなステージとも違う。

『アイドル輿水幸子』が全てを包み込む。そんなステージ。

飲みこまれ…それでいて幸せだった。

 

曲が終わると共に他のキャストが現れ、全員で「Near to you」

センターに竹達さん、全員の歌唱。

…ゆっくりと、この事実が夢見心地の我々に現実感を与えてくれた。

 

MCパートに入るとすぐにサプライズの紹介。

 

「フフーン!このカワイイボクが、さいたまスーパーアリーナにやってきましたよ!本物のボクはカワイイですよねぇ?」

その言葉を、「あぁ、これは現実なんだ」…と噛みしめた。

 

『Absolute Nine』は、初日のオリジナルメンバーで(志希さん、夕美さん、拓海さん、周子さん)。

この曲からは怒涛の展開である。

 

『Hotel Moonside』……3rdのステージは今でも語られている。

だからこそ、今回はどうするのか。そんな雑念はやはり冒頭から吹き飛ばされるわけだが。

暗いステージの上でダンサーが踊る。空気がガラリと変わる。
そして、城の門が白く輝きダンサーのシルエットを映し出した。

輝く門は何度も切り替わり、シルエットも入れ替わる。そんな中、中央の門に映し出されたシルエットは…速水奏だった。歓声が上がる。

つまり、最初は奏さんの3Dモデルのシルエットが門に投影されていたわけなのだが…暗転して再び点灯した時のシルエットは、また変わっていた。

奏さんの衣装、スラリと伸びた手足…しかし、立っているのは門の手前だ。

飯田友子さんの登場。また歓声が響く。そんな切り変わりが繰り返される。

奏さんなのか、飯田さんなのか、認識が追い付かない。(飯田さんのプロポーションゆえでもある)

同様に、両端の門に映し出されたのは飛鳥くんと松長涼さん(千管春香さん)。

3人が色をもって現れたときには、既に会場は魅了されていた。

 
このステージは3rdのその先を、魅せてくれた。

また一段上のパフォーマンス、飛鳥くんそのままのヴィジュアル、涼さんの力強いボーカル…どれをとっても最高としかいえない。

また一人で立ち、美しい反面儚げでもあった奏さんが仲間と共に歌う…それはアニメの先ともとれる。

速水奏に…そしてデレマスに停滞はない。そんな気概を感じさせる一曲でもあった。

 

明かりが消え、センターステージが照らされる。そこにいるのはただ一人。

『in fact』

橘ありすの…そして佐藤亜美菜さんの、曲だ。

 
詳しい方は既知のことだろうが…3rdライブにおけるこの曲は、極めて重い意味を持った。その周辺に関することは他で多く語られている上に、長くなるのでここでは述べない。

去年と同じ、ホテムンからのステージ。演出を変えるような余地はこのない。一人で歌う、それだけ。

 

でも、確かに1年前と変わっていた。成長したありすが、そこにいた。

1年で、ありすを、亜美菜さんを取り巻く環境は大きく変わった。良い方向に。

いろんな人に恵まれて、成長した橘ありすという少女を、見事に歌いきった。会場に広がる青、青、青。

その光は、1年前よりも優しく彼女を包んでいるように思えてならなかった。

 

この感動を引き継ぐのは、紗枝はんとまゆさんの『あいくるしい』

ついに、オリジナルで歌うこととなった。Pとして内心、万々歳である。

ここでは、牧野由依さんを軸に話をしたい。
佐久間まゆというアイドルをどう表現するか…これは、本当に難しいと思う。ヤンデレと称される場合もあるが、微妙に違う。愛が深く純粋なだけなのだ。(というにはギリギリな行為もあるが)

それを、歌で表す。無理難題にも思えるそれを、牧野さんはやってのけた。『佐久間まゆ』というアイドル像を、明確に、持っている。

この歌は…報われない愛の歌だ。それを知ってなお、いつも通りを願う。

結ばれない、報われない。それでもいつも通り一緒にいたい…そんな歌詞を歌いながら、確かに彼女は笑っていた。

それが、佐久間まゆというアイドルだ。

 
その隣で、声を震わせて愛おしく、苦しげに歌う立花さんの対比がなんともいえない感情をかきたてた。

あいくるしいの「あい」がひらがなである意味がやっと、理解できた気がした。

 

次に来たのは『生存本能ヴァルキュリア』

アインフェリアの3人含め、10人での歌唱。神戸でも歌われたが、やはり盛り上がる。美波をプロデュースする私Pとしては…センターに立つ姿を観たくもあったが、それは今後に期待したい。

とにかく『Hotel Moonside』からこの曲まで、あまりにP達の感情が揺さぶられ過ぎて瀕死になっていた。

次のMCにて亜美菜さんが「みんな生き残れましたか~?」と聞いてきたのだが、言っている本人が号泣させているのだから心にくい。

 

MCが終わり、唐突に稲光と轟音。何が来るのかと驚いた。

そして現れた桜咲千依さん。「輝子ちゃんの分も、ヒャッハーするよー!」

『Lunatic show』、藤本里奈さん(金子真由美さん)と大和さん(村中さん)と共に。

 
今回、経験が少ないキャストが多い中、1stからずっと出演されている桜咲さん、また2ndから常に安定していらっしゃる牧野さんや立花さん、鈴木さんの存在は大きいと思った。

基盤がしっかりしているからこそ、いろいろなことができる。

 その後のMCで、高野さんに急かされて言った「…ヒャッハー」ボイスがたまらなく好きです。はい。

 

続く『Tulip』、『純情Midnight』は、オリジナルメンバーで。

しかし、どちらも一人足りない。

どうするのかと思っていたら、中央の門に映し出される美嘉モデル、なつきちモデル。P大歓声。

このとき頭をよぎったのは、サプライズでの登場だった。
まだ竹達さん一人。神戸からの法則があるならば、もう一人くるはず。

だからこそ、この2曲は来るだろうか…と思いつつ観ていた部分もあった。

登場ありきで観るものではないが、このままあっさり終わる筈がないとも思っていたわけだ。(2曲終わって来ず、かなり油断はしていたが)

 

終わらなかった。あまりにも衝撃な形で。

 
激しく軽快なギターサウンド、登場する千枝ちゃんと薫ちゃん。
『ハイファイ☆デイズ』

しかし、2人は一目散に中央へ向かい、

仁奈ちゃ~ん!

「は~い!」

 

奈落から市原仁奈ちゃん(久野美咲さん)登場。サプライズ、2人目。

 それに応える、声が聞こえないくらいの大歓声。

そしてそのまま、歌いだす3人。

 両端の門に映るのは赤城みりあちゃんと櫻井桃華ちゃま。

 
大興奮のP達、全力のコール。

久野さんの声は仁奈ちゃんそのままであり、着ぐるみ衣装で驚きと感動が一緒に襲ってきた。

もうライブも終盤(3時間半ほど経過)、P達のオーバーロードであった。

 (小学生アイドルユニットに対する光景と考えると不思議な世界である…のだが、それが成り立つところがアイマスの魔力である)

 

曲が終わるとほぼ同時に、次の曲がかかる。仁奈ちゃんだけがステージに残り、

さあ、みんなでうたうですよ~。うたって、みんなのきもちになるですよ~!

『みんなのきもち』仁奈ちゃんの初ソロステージは、これまでにない大歓声に迎えられて始まった。

Pがみんな「ワンワン」「パオパオ」コールを入れる。普通あり得ないことだが、みんながそれを楽しんで、市原仁奈というアイドルを温かく包む。

仁奈ちゃんが、P達に笑顔で囲まれている…それだけで、涙が出た。

 
センターステージと通路に、動物をあしらった手袋をつけたアイドル達が並んで踊る。

下地紫乃さんがつけている赤いのが気になったが…後日カニだと分かった。空手のプロテクターで、ああいうのあるので…。

青木志貴さんが黒い肉球手袋を着けて踊っていたのだが、前述の通り見た目からして飛鳥くんそのままなのである。
飛鳥くんが肉球をつけて、踊っているのである。これに後で悶絶している飛鳥Pが何人もいた。本当にかわいかった。

 すべてが微笑ましく、幸せなステージだった。

 

魔法の時間もあっという間で、全員が集まって『GOIN’!!!』

夢見ることは、止まらない。相応しい、歌詞だと思った。

 

キャストが去った後、アンコールが当然のように起こるわけだが…しばらくしてちひろさんの登場、お知らせ。

お知らせ毎に、大歓声。

 

そしてアンコール。

シンデレラガールズ5周年を記念しての、新曲。『EVERMORE』

やはり、シンデレラ達の歩みは止まらない。アイマスに、停滞はないのだ。

 

最後のMCは…僅かに触れた部分もあるが、私Pの中途半端な記憶に頼って語るのは無粋というものだろう。

もし映像として残るのなら…それを観て、聴いてほしい。

 
スタッフも、キャストも、Pも、全力。だからこそ、生まれる魔法であり、ステージなのだ。

 

本当の最後に歌うのは、やはりあの曲。

 『お願い!シンデレラ

 

新しくこの舞台へ駆け上がってきたシンデレラを加え、公演は最高の形で門を閉じた。

『Brand new Castle』その名の通り、既存のイメージで満足することなく新たなアイドルの姿を模索する…。

ある意味ではアニメの補完であるし、またこれからのシンデレラの行く先を照らしていく道しるべでもあると感じた。

 

夢を形にして、夢以上に素晴らしいステージを創り上げた。それでも、まだ先はある。

それは…きっと幸せなことなのだろう。

 

 

なお、LV会場を出た直後の私Pは語彙が消失し、「幸子がいた…飛鳥くんがいた…」とうわごとのような呟きをすることしかできなかった事を付け加えておく。

 
ひたすら幸せな、SSA公演1日目だった。

 
しかし、2日目がある。私が多くプロデュースするアイドルも、何人もいる。

このとき、更なる衝撃が待ち構えていた事を…私は予想すらできなかった。

 

 

 

(了)