とある事務所の将棋紀行

将棋の好きなアイドルが好き勝手に語るみたいです。

安部菜々の動画解説  勝負の世界

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 はい、みなさんウーサミン♪キャハ☆

 ということで、今日の企画はウサミンこと安部菜々がお送りします!

 いつもは思い出話に花を咲かせながらいろいろしゃべっていくんですけど、いつもとは少し趣向が違うみたいですね。

 というわけで、こちらが今回の企画ですっ!

 

 

www.nicovideo.jp

 対局の棋譜は、こっちですね。

アイドル日誌 候補生リーグ17回戦 安部菜々ー前川みく戦 | Shogi.io(将棋アイオー)

アイドル日誌 候補生リーグ18回戦 渋谷凛ー安部菜々戦 | Shogi.io(将棋アイオー)

  あ、18回戦の方は、動画の方を観てから覗いた方がいいと思います。ネタバレはダメですからね!

 

 いつもの感じではなくて、マジメなお話です。

 この話、かなり手は加えられていますけど大元になる実話がありまして……平成7年度、後期三段リーグですね。『将棋の子』(大崎善男 著)にも載っていて、ファンの間では有名です。

 奨励会の昇段システムは年代によって変わっていて、大きな流れでみると東西リーグからの決戦、勝ち星昇段、三段リーグと移ってきました。羽生世代は勝ち星昇段と三段リーグギリギリの年代ですね。羽生さんや佐藤さんは勝ち星昇段で、先崎九段は三段リーグ1期にて昇段しています。

 三段リーグは半年に1回、上位2人が昇段するシステムになっていますが、年齢制限があります。中座真三段(当時)は26歳。勝ち越せば満29歳まで在籍することはできますけど、この規定を利用せずに「昇段できなければ奨励会退会」を決めていました。そして、最終日。

 4番手だった中座三段は第17回戦で勝ち、この時点で自力(勝てば昇段)になります。

 

 (1) 堀口一史座(21)・・・13勝4敗(昇段確定)

    (6) 中座真(26)・・・12勝5敗

    (14)野月浩貴(22)・・・12勝5敗

    (23)藤内忍(21)・・・12勝5敗

    (3) 木村一基(22)・・・11勝6敗

 (11)今泉健司(22)・・・11勝6敗

 

 しかし最終戦、今泉三段に完敗してしまいます。12勝6敗で三段リーグを終えました。

 本人も退会を覚悟していたのですが、「勝てば昇段」の圏内にいる3人が揃って負けるという事態になり、『奇跡の昇段』となったんです。

 

 昇(1)堀口一史座(21)・・・14勝4敗

    昇(6) 中座真(26)・・・12勝6敗

(11)今泉健司(22)・・・12勝6敗

    (14)野月浩貴(22)・・・12勝6敗

    (23)藤内忍(21)・・・12勝6敗

     (3)木村一基(22)・・・11勝7敗

  

 最終結果はこの通り。中座さん以下5人は「あと1勝で昇段」の状況になっていました。その白星一つ、前期順位の差が大きく影響したわけです。

「首にロープをかけられたまま将棋を指すのが三段リーグ」と将棋世界で中座さんが述べています。それくらい、厳しい場所なんですね。

 何も気にすることなく、普段通りに指せたなら…昇段候補が揃って連敗することはめったにないでしょう。でもこの勝負には、自分の人生すらかかっています。だからこそ、こういったドラマが起こった…とも言えますね。それがいいことだとは言えません。中座さんからみれば奇跡ですけど、他の競争相手からみたら悪夢のような出来事でしょう。

 この後、四段昇段を勝ち取った方もいます(野月さん、木村さんは有名棋士ですよね)。そして、奨励会を去った方もいます。今泉さんは年齢制限を迎え奨励会を退会、しかし編入試験を受けてプロ棋士となりました。これも有名な話です。

 

 白星一つの、計り知れない重み。これは王位戦のときも少し話しましたし、棋士になっても変わりません。

 でも…春と秋の三段リーグが終わる頃には、どうしても考えてしまう話でもあります。

 

 勝負は残酷で…でもどこか美しくて、そこに惹かれてしまうのだから、困ったものですね。

 というわけで、今日の真面目なお話はここまでにします。ありがとうございました!

みなさーん、動画や棋譜も観ていってくださいね!

 

 

 

 そういえば、「どうしてナナでこの話を企画したんですか?」と聞いてみたら、プロデューサーさんに目を逸らされたんですけど…。

 

ナナは永遠の17歳ですっ!

 

 

(了)